小学生のころ読んだ「巌窟王」が懐かしくて大学生で岩波文庫版「モンテ・クリスト伯」全7巻に挑戦するも挫折。40代ともなると復讐物語が楽しすぎて、寝不足で全巻読破。日頃のうっぷんが溜まっている大人におすすめな一冊です。
登場人物
- エドモン・ダンテス・・・マルセイユの船乗り。無実の罪で陥れられる。
- メルセデス・・・エドモンの恋人。
- ファリア司祭・・・エドモンに学問と宝の在処を教える。
- フェルナン・・・メルセデスを奪うため、エドモンをボナパルト党員と告発する。
- ダングラール・・・エドモンの同僚。出世のためにエドモンを陥れる。
- ヴィルフォール・・・検事。保身のためにエドモンをシャトーディフ監獄へ送る。
- モレル・・・船主。エドモンの無実を信じて彼を救おうとする。
あらすじ
エドモンはマルセイユの腕利きの船乗りで、恋人メルセデスとの結婚や船長への昇進も決まり、順風満帆であった。だが、恋、金、名誉にとりつかれた三人に陥れられ、絶海の孤島、シャトーディフ監獄へ収監されてしまう。監獄で出会ったファリア司祭から学問と宝の在処を教わったダンテスは三人への復讐を誓うが果たして。
なさけよ、人道よ、恩義よ、さようなら・・・・・・人の心を喜ばすすべての感情よ、さようなら!・・・・・・わたしは善人に報ゆるため、神に代っておこなった・・・・・・さて、いまこそは復讐の神よ、悪しき者を懲らすため、御身に代っておこなわしめたまえ!
まとめ
恩人の窮地を救ったあとは、人道と恩義に背を向けて復讐へと邁進します。第二巻からは主要人物の家族や友人を巻き込んで、ダンテスの復讐がノンストップで止まりません。ただの復讐物語ではなく、ナポレオンの失脚や19世紀初頭の歴史情勢を絡めた展開は、さすが大デュマの真骨頂と言ったところ。
復讐と言えば「エドモン・ダンテス」と復讐の代名詞になるくらいの元祖復讐譚。「物語のいでき始めのおや」が竹取物語ならば、「復讐譚のいでき始めのおや」はモンテ・クリスト伯と言い切って過言ではない名作。
第二巻まで辿り着けば、寝不足は必至です。フラストレーションを発散させたいときにおすすめの一冊です。
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