もともとは著者のミステリ小説のファンであることから手に取った一冊。40代半ばに差し掛かり、日々の暮らしの中で息苦しさと焦燥感に苛まれていたときに、思わず再読しました。
孤独の価値/森博嗣
私たちは日常の中で、孤独になることを恐れています。「絆」や「友情」が欠落して、孤独であることを恥じています。しかしながら、この本では、巷にあふれる「絆」や「友情」をありがたがる風潮を、<感動>を売り物にするマスコミにのせられた<絆の肥満>状態であると断じてくれます。
感動が売り物になった現代
本章では、寂しいことは何故いけないのか、について書いてきたが、結論は簡単だ。寂しいことは、いけなくない。まったく悪くない。それどころか、人によっては、それが良い状況、必要な状況でさえある。
著書はミステリ作家であると同時に、理系の研究者でもありました。そのため、なぜ<孤独>は悪くないのか、<孤独>の価値とは何かを理論立てて解説してくれています。
絆・友情・仲間というフレーズに息苦しさを感じている人。社会の中で孤独感に耐え切れないときに、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
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