2025年8月の読書記録/夏に読みたいおすすめ本7選

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8月に読んだ本の中から、心に残った作品をジャンルを問わず厳選してご紹介します。
夏の静かな時間にじっくり読みたい本や、日常から少し離れて旅するような気持ちになれる一冊など、読書の魅力を改めて感じられるラインナップです。
読書習慣を続けたい方や、次の一冊を探している方にとって、ヒントになれば幸いです。

アイスクリン強し/畠中恵

舞台は明治23年の東京。築地の居留地で育った皆川真次郎が、西洋洋菓子屋・風琴屋を開きます。店には甘い菓子を目当てに幼馴染の旧幕臣である「若様組」がやってきては、騒動を持ち込みます。明治という捉えどころのない不可思議な時代のワクワク感と急転した世の中の理不尽さ、先が見通せないからこその若者たちの青春をポップで明るく描いた爽快感あふれる作品でした。本格派ミステリというより、謎がふんわり漂うような連作短編集です。

  • 皆川真次郎・・・西洋洋菓子屋・風琴屋の店主。居留地で孤児として育ったため、英語や洋菓子作りが堪能。ミナと呼ばれるのが嫌い。
  • 長瀬健吾・・・若様組の頭で真次郎の幼馴染。世が世なら大身旗本の若様であったが、維新後は出世の望めない巡査の身に甘んじている。
  • 小泉沙羅・・・成金の娘。真次郎や長瀬の幼馴染。若様組のマドンナ的存在。
本モス
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とにかく登場人物が全員魅力的でした。江戸の名残の漂う中で西洋菓子作りと語学が得意な真次郎。機転が利いて家柄も良いけれど、お金のない長瀬。成金の娘で袴姿で女学校に通う沙羅。他にも、若様組に無理難題を吹っ掛ける、沙羅の成金の父親。若様組の中でも抜群に容姿に優れているのに、乱暴者で危険な男、園山。などなど、主人公級の登場人物がひしめき合う物語です。

若様とロマン/畠中恵

「アイスクリン強し」の続編にあたる物語。平和に見える明治の世に漂いはじめた不穏な空気。成金の小泉琢磨は愛娘、沙羅の将来を案じて、戦争を回避しようと企みます。その秘策は、なんと若様たちのお見合い!一筋縄ではいかない成金の琢磨に振り回されながらも、懸命に時代を生きる若者たちの姿が、可笑しくもどこか羨ましく感じられる作品でした。

本モス
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前作に続き連作短編で読みやすく、あと数ページでどう決着をつけるのか先が読めずに楽しく読了できました。今作では、真次郎や沙羅、長瀬といった若者たちが、将来に向けて一生懸命奮闘します。おばちゃん目線では羨ましくなるほどキラキラしていて、読んでいるだけで元気をもらえる物語でした

⇒明治時代のミステリ小説をもっと読みたい方はこちら

イクサガミ 地/今村翔吾

「イクサガミ 天」に続く、明治を生きた侍たちのデスゲーム。シリーズ第二巻。今作では、「蟲毒」の行方もさることながら、嵯峨愁二郎の過去の因縁も相まって、さらに目が離せない展開でした。これぞ、エンタメ時代小説!

本モス
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フィクションでありながら、そこここで登場する実在の人物や出来事に歴史への興味が湧き上がる作品です。近代史って何でしたっけ?というおばちゃんでも、もう一度日本史を学びたくなる物語でした

⇒「イクサガミ」シリーズ第一巻やエンタメ時代小説に興味のある方はこちら

絵で見る 明治の東京/穂積和夫

捉えどころのない和と洋の入り混じった明治の東京を建築イラスト、都市イラストの第一人者が再現してくれた傑作。明治期の小説を読んでも、いまいち建物や街の雰囲気がつかみづらく手に取った一冊。もっと早く出会いたかった!

本モス
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文章では読んだことのある鉄道馬車や浅草凌雲閣などを、初めて脳内でイメージすることができました。明治期なので、モノクロ写真も残っていますが、写真より第一級のイラストの方がよほど明治の暮らしがイメージできました。日本史は中学校以来のおばちゃんの頭にも、するする入って来る良書でした。

しゃばけ/畠中恵

江戸有数の廻船問屋長崎屋の一人息子・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままなりません。ところが家人の目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、猟奇的殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことになります。若だんなの周囲には、なぜか犬神、白沢、鳴家など妖怪だらけなのです。連続殺人事件が発生しているのに、若だんなの安否しか興味のない妖たち。謎や人情もありながら、とにかく一太郎を囲む妖たちが可愛くて仕方のない作品でした。

  • 一太郎・・・廻船問屋長崎屋の一人息子。顔も良く、金もあるが、体が弱い。両親や妖の兄やたちから噂にのぼるほどに甘やかされ、それを厭っている。
  • 仁吉(白沢)・・・長崎屋の手代。顔が良い。本性は白沢という妖怪。一太郎を甘やかす。
  • 佐助(犬神)・・・長崎屋の手代。体格がいい。本性は犬神という妖怪。一太郎を甘やかす。
  • 鳴家(やなり)・・・小鬼の妖。きゅわきゅわと可愛い。
  • 栄吉・・・菓子屋三春屋の跡取り息子。一太郎の幼馴染。菓子作りが壊滅的に下手。
本モス
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仁吉や佐助の甘やかしっぷりもいいけれど、私の推しは断然鳴家! きゅわきゅわっと団子状になって、“褒めて褒めて”とお菓子をせがむ姿を想像するだけで癒されます。とはいえ、この作品の良さは妖たちの可愛さだけではありません。さすが日本ファンタジーノベル大賞を受賞されているだけあって、物語の展開も謎解きも見事で、再読でも夢中になってしまいました。ほんとうに何度読んでも面白いんです!

⇒和風ファンタジーに興味のある方はこちら

ぬしさまへ/畠中恵

「しゃばけ」シリーズ第二弾。今作も、愛され主人公の若だんなとかっこいい兄やたち、そして可愛い鳴家たちがたくさんで大満足の一冊でした。若だんなの幼なじみの栄吉の饅頭を食べたご隠居が死んでしまったり、新品の布団から泣き声が聞こえたり、手代の仁吉の恋バナがあったりと、てんこ盛りの短編集です。

本モス
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愛されキャラの若だんなですが、ただ甘えているのではなく、まっすぐ困難に向き合う姿に思わず応援したくなります。妖たちのとぼけたやりとりに思わず笑いながらも、ふと人生のままならなさが胸に残る場面もあり、短編なのに余韻に浸りたくなる一冊でした。

静かに生きて考える/森博嗣

S&Mシリーズの森博嗣さんのエッセイ。慌ただしい日常の中で立ち止まって、じっくり考えたいときに最適な一冊でした。

完成品の欠点は、作った本人が一番感じているものであり、これがあるからこそ、次の作品に心を向けることができるし、また、この幻滅を感じられるのは、次を作る能力があるということだ。「万歳!」とはしゃぐのは、今がピークであり、もう成長がない人間だからである。

「静かに生きて考える」森博嗣 2024年 p113

本モス
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私にとって森博嗣さんの本は、ハウツー本のように、読んで知識を得るための本ではありません。折に触れ手に取ることで、自分で思考することを思い出させてくれる本なのです。

⇒森博嗣さんのエッセイに興味のある方はこちらもどうぞ

株トレ チャート編/窪田真之

クイズを解くだけで株トレードの基本が理解できる本。難しい理論はわからないけど、上がったり下がったりする仕組みが理解できます。一問一答で考えながら読み進めるので、自然と頭に入っていくところが良かったです。

本モス
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とりあえず「三角もちあい」と「ボリンジャーバンド」「ゴールデンクロス」は覚えておきたい!この本を読んでチャートの見方がかわりました。みんな安く買って高く売りたいけれど、上がっていく株は保有して、下がていく株はいつか上がるかもと期待せずに損切りしないといけない。忘れたころに繰り返し読もうと思います。

株トレ ファンダメンタルズ編/窪田真之

「株トレ チャート編」の続刊。今回も一問一答のクイズ形式で、自然とファンダメンタルズが理解できます。経済用語がわからない私でも、楽しく読み進めることができました。読みやすい入門書ではありますが、実在の企業の財務諸表などを例に解説されており、実践力もあなどれない一冊でした。

本モス
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経済、財務音痴のおばちゃんでも、なんとなく決算を見て、これは買ってはダメなのだろうなと考えるようになりました(間違っているかもしれませんが)。とにかく、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、PSR(株価売上高倍率)は覚えておこうと思います。

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